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| これは20世紀の画家ポール・ゴーギャンが太平洋に浮かぶ島、タヒチで描いた絵のタイトルです。人は何故生まれ、しばらくの間生きて、そして死んでゆくのか…『考える葦』と言われる人間が、人間として生きるが故の喜び、悲しみ、苦悩…それによって生ずるあらゆる矛盾…こういった問題といったいどう向き合えばよいのか…。世代を越えて、国を越えて、私たち人類が常に抱えている共通の思いなのではないでしょうか。はるか遠い昔から宇宙の真理を見出そうと、偉大な哲学者や思想家たちは自分の人生を真理の探究に捧げました。そうして生まれた、よりよく生きる為のさまざまな方法論…。その中でも、私は特にインド哲学、仏教学、そしてマクロビオティックの思想に心惹かれます。賢者たちによる思想哲学は、私たちさまよえる現代人にとって、暗闇を照らす灯りとなって真の智恵をもたらしてくれることでしょう。 |
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私とインド哲学との出会いは、今から5年ほど前、ちょうど抽象絵画の制作に取り組んでいた頃・・・心理学、哲学、宗教学に惹かれ、近所の図書館に足しげく通っていました。その中の一冊『インド哲学と現代』というブルーの表紙の本が、インド哲学というものに触れた最初の体験でした。今の私にとって、特筆するほど興味深い本かどうかは定かでありませんが、当時の私にとってその本は大変感銘深く、サンスクリットの言葉とともに説明されたインド哲学における宇宙の捉え方に、懐かしさと震えるような感動を覚えたのでした。その後、程なくして私は、家から電車で3駅離れたところにあるヨーガのスタジオにも通うようになり、体を動かして行うアーサナや、呼吸法プラーナヤーマの練習によって、私の内側でヨーガの哲学はよりリアルなものとなって根付いていきました。そして、ハタヨーガの練習によって私自身の奥底にある古い記憶が、じわじわと甦ってくるような感覚を覚えたのです。こうして何かに導かれるようにして始まったヨーガの練習は、いつしか私にとって日常となり、その出会いから2年後にはインドへ、そして気付くとインストラクターとしてヨーガの魅力をみなさんにお伝えする仕事に就いていました。ハタヨーガでは心と体の柔軟性を養います。練習を始めて5年が過ぎた今、以前に比べると自然体で人生と向き合うことができるようになった気がします。 |
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私が読む本の中で多いのが、インド関連と並んで仏教に関する書物です。仏教はインドで生まれた宗教ですので、この二つの事柄に深い関わりを感じるのも当然のことかもしれません。また、学生時代の5年間を仏教の学校で過ごし、仏陀(仏教の開祖、釈尊は最も古いヨーガ行者の一人と言われています)や道元禅師の教えに慣れ親しんだせもあるのでしょう。当時はそのことに特別な意味を感じていませんでしたが、今思うと坐禅や仏教学の講義、そしてさまざまな仏教行事に参加できたことは本当に貴重な体験であったと強く感じます。生意気盛りの高校生を前に、やさしく、丁寧に、たんたんと、仏教についてお話してくださった仏教学の先生のお顔が、今でも印象深く心に残っています。それから約10年後、私はインド哲学、ヨーガと出会い、アーユルヴェーダ、自然療法、マクロビオティック…さらには精神世界への興味・関心を深めるようになってゆくのです。 その中でもマクロビオティックに初めて触れたのは、実はヨーガと出会う1年前にさかのぼります。その頃私は、岡山県の山中、アーツ&クラフツヴィレッジにてアトリエを借り、木版画の制作に没頭していました。そこで出会った1人の女性からマクロビオティックの宇宙観を聴き、さらに実践の手ほどきを受けたのです。 |
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『マクロ』は大きい、『ビオ』は生命、『ティック』は術、学を表します。言葉の起源は、すでにギリシャ時代からあったと言われています。現代のマクロビオティックの祖は日本人、桜沢如一氏(1893〜1966)です。彼は日本の食養法と、中国の易の陰陽論、そして現代科学とを明解に結びつけ、その思想と実践方法の普及に努めました。マクロビオティック実践の基本は、まず『食』…その方法論はいたってシンプルです。未精白の全粒穀物を中心に、その土地でその季節に自然にとれたものをいただく…『身土不二』、ひとつのものを(皮、実、葉、根など)まるごと食べる…『一物全体』という二つの原則。そして、生命の持つ陰と陽のバランスをはかりながら、程よい量を、よく噛んでいただく。そうすることによって、心身を中庸に保ち人智を越えた自然の摂理、宇宙の秩序に調和していく…。全体の『つながり』を重視する点で、ヨーガの哲学とも共通します。宇宙も人間が呼吸するように、拡張と収縮を繰り返しています。変化し続ける森羅万象の中で、私たち人間が心身ともに健康であるために、このマクロビオティックの理論は大変助けになります。
さて、それでは具体的にどのような食事かといいますと…まず、全体の食事量の50〜60%を玄米などの全粒穀物にします。そして、あとは野菜、豆・海藻類を中心とした副菜を30〜40%、味噌汁などの汁物を5〜10%、この割合でいただきます。何を食べるかと同時に、バランスも重要視されます。しかし、あまり難しく考えることはありません。日本人が長年食べてきた伝統食、例えば…玄米ご飯、味噌汁、煮炊きした野菜(きんぴらやひじきなど…)、そして漬物、豆類です。基本を押さえたら、あとは臨機応変にアレンジできます。大切なのは、無理をしないこと。あくまでも自分の体に聴きながら、楽しみながら、よく味わいます。 |
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何に取り組む時にも持ち続けたいのは、自由な精神と行動力です。ヨーガでもマクロビオティックでも、『かたち』にとらわれ過ぎず、かといって基本は押さえて見失わずに、内なる自分の声に耳を傾けるとことから始まるのだと思います。大切なのは、自分の心と体が喜ぶことをする、喜ばないことはしない、ということではないでしょうか。これは簡単なようで、もしかすると少し難しいことかもしれません。しかし、どのような行為も、周囲との調和をはかりつつも人任せではなく、自分で感じ、考え、行動することに大きな意味があると思います。どのような環境や状況も自分自身を成長させる機会であると捉えれば、全てのことは『学び』となりうると思います。さらに、自身の内側から湧いてくる自然な思いや、さまざまなご縁に導かれるようにして過ごしていると、必要なものは必要な時に降ってやってくる…そんな気がしています。人生は思いもよらぬ、さまざまな出会いによって紡ぎ出される『Art』(アート)と呼べるのではないでしょうか…。そして、宇宙は全てが循環し、有機的につながっています。『マワリテメクル小宇宙』…これは私の大好きな本のタイトルです。宇宙に存在する全てが『自転しながら、公転する』姿を表す言葉だそうです。
私は、これからもマクロビオティックやヨーガの練習によって、心も体も軽やかに宇宙のリズムに共鳴しながら過ごしてゆければ…と思っています。すべての出会いに感謝をこめて…。
om
shantih
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